誕生して100年以上! エンタテインメントとして切っても切れないコンテンツ。それは映画! 毎年100本以上を鑑賞するTMS映画映像学校学校長・松澤(チャンマツ2017)が毎回興行収入1位の映画を自腹で鑑賞し、なぜ1位なのか? どこが面白いのか?を主観的に分析し お伝えするコーナーです。
今回から始まりました、「映画興行収入1位の魅力!」。
私、松澤和行(チャンマツ2017)が担当いたしますので是非楽しんでいってください。私は『TMS 東京映画映像学校』という映画・映像業界で働きたいスタッフを育成する学校の学校長をしながら『劇団 東京ミルクホール』という劇団でチャンマツ2017という芸名でいろいろやらせてもらっています。もともと映画が好きなので今回の企画をやります。
この企画のルールですが、毎回レポートする週の興行収入1位の作品を観に行き、勝手にレビューするという内容です。自分も映画はよく観るのですが「常に興行収入1位を観ているか?」と言われると怪しいのと、「なぜこの作品が1位なのか?」を考えながら観たことはないのでその辺もあわせてレポートできればと思います。
そもそも興行収入とはみなさんどういうことか知っていますか?
興行収入……観客が興行会社(劇場)に支払う入場料の合計金額を興行収入という。出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
わかりやすく言うと今お客さんが一番入っている映画です。重要なことは「お客さんが入っている」=「売れている」ではありますが、「売れている」=「面白い」ではないということです。ここをはき違えないでください。ということで連載1回目の興行収入第1位は?
全国週末興行成績:2017年7月8日~2017年7月9日(全国動員集計)興行通信社提供
「パイレーツオブカリビアン」略して「パイカビ」です。ジブリもどきのやつにならないでホッと胸をなでおろしています。ここで私と「パイカビ」の思い出。
・1は見たことあるけど内容は全く覚えていない
・2、3はDVDで何度か見ようとしたが必ず途中で寝。
・主人公はジョニデが演じるジャック・スパロウという名前
・ジャック・スパロウの格好をしている人を今年の春、新宿で見かけた
これだけの情報量で行けるのか? ちょっと調べたらそもそもこれ「4」じゃなくて「5」らしいです。非常に不安だけど天下のディズニー配給だし、子供も見るだろうから初心者にもやさしい作りになっているはず……。
ここであらすじ紹介です。
魔の三角水域から蘇った”海の死神”、キャプテン・サラザール。彼はジャックに恨みを持っており、長年復讐の機会を待っていました。
それを知ったキャプテン・ジャック・スパロウは、”最後の海賊”だけが見つけることができるという「ポセイドンの鉾」を手にいれようと考えます。
そんななか、かつて冒険をともにしたウィル・ターナーの息子ヘンリーと、天文学者のカリーナが、それぞれの目的から旅についてくることに。
そこへジャックの宿敵バルボッサも現れ、事態はさらに混乱。
はたしてヘンリー、カリーナ、ジャックの3人は無事「ポセイドンの鉾」を手に入れ、目的を果たすことができるのでしょうか。-ciatr-より出典-
はい! どうでしょう? みなさんワクワクしてきましたね!
上映時間はオイオイ2時間30分近くある……。まあいい! 早速見に行ってきました。
渋谷にあるTOHO CINEMASさんです。いつもお世話になっています。おそらく人生で一番通っている映画館です。足を運んだ回数は延べ100回は超えていると思います
この写真を撮るために一人でセルカ棒を使って撮っていたとは死んでも言えません。
数年前に改修を終え、とってもきれいでいつ来ても居心地のいい映画館です。
見よ! このスクリーンの大迫力!
早速、席に着きます。
席もきれいで座り心地抜群です。
「えっ? 何? 一つまえの写真で席の番号がA-10ってあるけどそれって……えーそうです! 自分は映画を見る時は一番前の真ん中! アリーナセンター!と決めています!」
「首が痛いんじゃないか?見にくいのではないか?」という疑問があると思いますが、ひじ掛けに全体重乗っけて見るので痛くなりません。また基本的に見にくくはありません。それよりも以下のメリットがあります。まず周りに誰もいないので自分の家のようにくつろいで見ることが出来ます。
このように基本周りに誰もいないので
着席1分後に靴を脱ぎ自分の部屋のようにくつろいでも誰にも迷惑かけません!
そして当たり前ですが超大迫力!
見よ! 目の前が全てスクリーン! 写真に納まりません!
先日ある映画の2回目を観てきて、その時は行きがかり上真ん中あたりに座りましたが、まあしょぼい。ザコザコでした。画の迫力はないし、なんと言っても音が違います。映画館は実は両サイドだけでなくスクリーンの裏に一番大きいスピーカーがあるのです。昨今流行っている爆音上映なんていうシステムがありますが、一番前に座れば即座に全ての映画館が爆音上映になります。
爆音上映……https://matome.naver.jp/odai/2144966713380956001
(まあこれはこれですごいんですが……)
とにかく一度皆さんも映画は一番前のセンター席を試してみてください。もうヤミツキになること間違いなしです! オススメです。と、そんなことを言っている間に上映始まります!
と言うことで気分はジャンヌダルクの「フォローミー!」です(この時も上映開始まで前3列は自分一人でした。そしてこの写真を一人でセルカ棒で撮影していたのでスタッフさんから完全にマークされたと思われます)。
~鑑賞中~
さて、見てきました。ええ見てきましたよ! 「パイカビ」を! 「興行収入1位」を!
結論から先にいいます。「全くストーリーがわかりません!」。
この映画は一見さんお断り映画でした。確かになんとなくのお話しの流れはわかるのですが、随所にちりばめられた「あの時はこうだったじゃん!」「あれ覚えてる!?あれだよ!あれ!」感が半端なく、会話の内容を考えているともう次のシーンに行き。思考が追いつきません。
そのせいなのかで全体の間が短く感じました。
決してつまらないのではなく、知り合いのほとんどいない飲み会に呼ばれて内輪ネタで盛り上がってるからしょうがないからこっちもとりあえず笑っとけみたいなという状況です!
居心地の悪さ半端ないです。なんか瓶の中に船が入っていて割って中身を海に投げたらでっかくなってました。なんで?誰か教えてください。
しかしわかったことがいくつかあります。最大の発見、それはこのシリーズにおけるジャック・スパロウの立ち位置です。
この人基本逃げ回るだけでなんにもやってません。主人公らしくないのです。ジャッキーはアクションで敵をなぎ倒します。半沢直樹はとんちを利かせて「倍返し」を行います。
しかしこの主人公は本当に何もせず周りの登場人物が右往左往してストーリーが進んでいきます。ジョニデはこの作品におけるただの象徴です。
動くキービジュアルです。これはかの有名な時代劇「水戸黄門」と同じです。この作品も周りの登場人物が動くことでストーリーが進み最後に印籠を出し「カッカッカッ!」と笑う例のアレです。パイカビは最後の決めはないのですが終始ジャック・スパロウが挙動不審なのでキャラが立っています。そしてラストシーンはなんとなくこいつがすごいことをやったような感じがしてきます。
長寿シリーズものの鉄則である。
「世界観を固める」が出来ているからこの手法が通用するのでしょう。
–出典元 KYORAKU-
ジャック・スパロウ=水戸黄門(ジジイ)、立ち位置同じ説
そしてクライマックスのCGが本当にすごいです。なんかもうこれ実写で無理矢理やらなくてよくない?と思うほどです。なんでこれ実写でやるんだろう?とみんなが思っている「JOJO」実写版とは真逆の発想です。そして終わったあとはなんかすごい物見せられた感が半端なく純粋に「映画」ってすごいなと思ってしまいます。
それではここでなぜこの作品が興行収入1位なのか検証してみましょう。
シリーズ物の強み
長いことやっていますのでシリーズについている一定のファンがいるというのは確実に数字が取れるので強いと思います。
豪華な出演者
ジョニデはもちろんですが、ハビエル・バルデム(ノーカントリーのキリングマシーン))、カヤ・スコデラリオ(メイズ・ランナーに出てたいい女枠)、ジェフリー・ラッシュ(シャインの気狂い役)、オーランドブルーム(言わずと知れたロード・オブ・ザ・リングのいい男枠)、
そしてなぜかポール・マッカートニーも出ています。
個人的にはポール・マッカートニーは全く気づきませんでした……。
オーランド・ブルームも出演したシーンが最初はロングの画だったので知り合いの林さんにしか見えませんでした。
知り合いの林さん
派手な宣伝
興味を持っていない人でも「パイカビ」の映画がまたやるということをそもそも知っている。具体的な宣伝方法を言ったらキリがないですが、この事実を知っているということはとんでもない宣伝費をかけているということです。
全年齢フォロー
自分が観に行った回は夕方だったため大学生カップルやウルサイ高校生が多かったので全員死ねばいいと思ったのですが昼間は熟年層、夜は社会人、土日はファミリー層という全てを網羅した見せ方をしています。対象年齢がオールジャンルという映画はあまりないです。さすがディズニーですね。
なんか「映画」見た感がある
面白かったかどうかは置いといて、終わった後「なんか『映画』見たな」という感じがします。知り合いに見たことを話す時もマイナスな話になんとなくなりません。そして知り合いもなんとなく観に行くという最強の連鎖です!
まとめ
とにかくシリーズを見ていないと置いて行かれる感が半端ないですが、シリーズのファンもしくは見たことあるという人は絶対に映画館に行った方がいいです。あの迫力はTV画面からは伝わってきません。また全くシリーズ未見の人でも「なんか映画でも観に行くか!」くらいの時に本当にちょうどいい映画です。
5点満点で星3つ★★★☆☆
シリーズのファンは星5つ★★★★★
7月はこのあと「銀魂」「カーズ クロスロード」が控えています。次回は何が1位になるか楽しみです。
それではまた! チャンマツでした!
プロフィール
TMS 東京映画映像学校 学校長 http://tf-tms.jp/
TMS卒業後 TV番組制作会社にてディレクターを経験てTMS 東京映画映像学校のプロデューサーに就任
構成作家、俳優として多方面で活躍中
劇団東京ミルクホール所属 http://www.tokyomilkhall.com/
PODCAST番組 東京ミルク放送局 毎週更新で大好評放送中! http://tokyomilkhall.seesaa.net/