惜しまれながらも解散したあのバンド、活動を休止したあのシンガー。 僕らの青春時代を彩ったアーティスト達は今、一体何をしているのだろう。 音楽ファンなら誰もが気になる解散後の「今」の活動に迫っていくWEBコンテンツ。 あの時とはまた違う一面や、現役時代のあんな裏話？を 『解活倶楽部』がお届けします。

解散・活動休止したバンドや
アーティスト達の「今」にせまる『解活倶楽部』

他のメンバーとの関わり

平井　解散してから一番聞かれるのが、「他のメンバーってどうしてるの」ってやつじゃないすか。聞かれました？

三浦　めちゃくちゃ聞かれた。

平井　知らんがな（笑）って思うんですけど、アレめっちゃ聞かれるんですよね。
でも俺はその時に、「解散してから一回も連絡取ってません」って言うようにしてるんです。そうすると、なぜか嬉しそうなんですよ聞いてきた人（笑）

三浦　え（笑）

平井　これは予想なんですけど、「そうなんだ！解散ってやっぱそう言うもんなんだ！期待通りで嬉しい！」って思うんじゃないですかね（笑）あ、でも連絡取ってたら取ってたで嬉しいのかなぁ。僕、ジューク大好きなんですけど、健治とケイゴが連絡取ってるって聞いて嬉しかったし。
でもそれぐらい「解散したバンド」ってファンタジーというか、現実的じゃないのかもしれない。俺も解散経験あるのに、他人のバンドになると、解散後のイメージ湧かないですもん。

でも実際三浦さんどうですか？　連絡取ってますか？

三浦　連絡取らないなぁ。

平井　三浦さんもそう言った方がいいですよ（笑）
喜ぶから。

三浦　あー確かに、あるかも。「メンバーと連絡取ってますか？」って聞かれるけど、「いや〜取らないっすね」って言ってる。
いや、ほんとに連絡取ってないだけなんだよね。特別仲悪くもなかったんですけど、別に用がないんですよ。

平井　なんかその時、聞いてきた相手は嬉しそうじゃないですか？

三浦　「えー本当？嬉しそうかなぁ？」
俺は聞かれた時に、「えーなんで？仲悪いの？」って聞かれて、「用事がないんだよ」って話をよくしてる。

平井　それちゃんと盛り上がってますよ（笑）

三浦　そうかぁ（笑）
バンドの時も別に仕事のこと以外は連絡取らなかったからなぁ。

平井　他のメンバーが今現在何やっているかチェックしてたりします？

三浦　Twitterはフォローしてるから、こういうことやってんだなぁとかは見てるけど。

平井　一緒にやっていたメンバーのことも嫌いじゃないから不幸になれなんて思ってないですもんね。

三浦　全然思わない。売れてくれた方がいいから、自分もそれに負けずに頑張んなきゃなって、すごい思う。

平井　それは俺も完全に一緒ですね。

最近の恋愛偏差値について

平井　最近の恋愛偏差値はどうですか？

三浦　いやね。大人になったよ。

平井　それは偏差値上がったんですか？「大人になったこと」が果たして偏差値上がったのか下がったのか。

三浦　いや、あのね。相手の立場に立てるようになった。

平井　今まで立ててなかったんですか（笑）

三浦　昔は、「自分が自分が！」しかなかったんだよね。「自分がこうなのになんでだ！」っていうモヤモヤがあったから曲が書けてた。
今は、「まぁそういうこともあるか」って思えちゃうと、モヤモヤしなくなった。だから曲が書けない（笑）
それで言うと恋愛偏差値は上がったのかどうなのか。

平井　うーん。「恋愛偏差値」自体は上がってるんじゃないですか。低かったから曲が書けてた、と仮定すると。

三浦　上がったことが果たしていいのかどうかと（笑）

平井　Weezerのセカンドアルバムみたいなことなんですかね。ファーストだと、「僕はモテないよ」みたいなことばっかり歌ってたのに、セカンドの一曲目が「Tired of Sex」だったじゃないですか。「マジ疲れた。モテすぎてしんどい」みたいな。

三浦　かっけえ（笑）

平井　だからそういうことを歌ってください（笑）

三浦　モテすぎて疲れてはないですけど、昔よりは飲み会とかに参加するようになったかな。

平井　めちゃめちゃ偏差値上がってるじゃないですか！

三浦　いやいやいや　昔は全然参加してなかったから。

平井　最近女性に好かれたりしましたか？

三浦　どうなんだろう。前はとにかくそういう場に行かなくて、
応援してくれる人がバンドのファンしかいなかったからね。
「歌ってる三浦さんが好き」みたいな。
でもどんなボーカルだって絶対歌ってない時間の方が長いじゃん、人生において。

平井　我々は歌い続けとかなきゃいけないですもんね。ミュージカルみたいに。

三浦　でもそれはきついから（笑）
俺はそう言ってくれる人に対しては、素直に「ありがとうございます」って感じで。だって歌ってないんだもん、普段。

平井　普段、会社員ですもんね（笑）

三浦　だってカッコ悪い方が多いじゃん、人生の中で。ステージの上なんて本当に一瞬でしかない。
だけど飲み会に参加して、素性を知らないのに、興味持って話してくれたりすると、「あぁ人間として面白がられてるのかな」とか思えて嬉しい。

平井　確かにそっちの方が嬉しいですね。

三浦　だから飲み会でも「バンドやってる」って自分から言わないし。「僕サラリーマンなんで」って言う。それでも面白がって話してくれるのはやっぱ嬉しいよね。

平井　めちゃめちゃ恋愛偏差値高いですね。

三浦　高いかどうかわかんないけど。
バンドで歌ってる時は、歌ってる曲のキャラに寄せなきゃって思った時期も結構あった。

平井　それは分かります。

三浦　例えば、「恋愛が上手にできないんです」
って歌ったやつが、私生活上手にやりくりしてた時に、説得力無いなって、すっごく気にしてて。

平井　そうですよね。

三浦　歌にも出るじゃん。だからそれをめっちゃ気にしてた。
でも今はそれがなくなったっていう点ではちょっと進歩したかもしれない。

平井　めちゃくちゃ進歩、というか進化してますよ。

再結成について

平井　再結成ってあるんですか？

三浦　解散しても戻ってこれるじゃん今って。
でも、もし、空想委員会が戻るんだとしたら、各々がものすっごい売れてる時じゃないと戻りたくないかな。

平井　グレードが上がっていないのに、元サヤに戻るのは嫌ってことですか？

三浦　理想としては僕が星野源さんくらい売れて、「別にバンドやらなくてもいいんだけど」って状態で戻るってのが面白いよね。そうなりたい。だから俺はもう一回一人で売れなきゃって思ってる。

平井　たしかに「やってもやらなくてもいい。だけどやるんだ」って方が真実ですよね。「生活苦しいから、やりたくないけどやらなきゃいけない」っていうシチュエーションは面白いものが見れなさそう。

三浦さんにとって解散・活休とはなんですか？

三浦　ミュージックシーンに限らず、時代は変わっていくもので、同じことをずっとやっていける人は本当に稀だと思うんだよ。
それになれない人はやはり時代に合わせなきゃいけない。
「解散・活休」ってその「合わせる作業」の一個かなと思っていて。
自分は「バンドだけやれてればOK」ってわけではなくて、その時代時代に寄せてく作業の一個が活動休止っていう感じだった。バンドが無くなってからのセカンドキャリアをすごい考えた時期があったんだけど、「でも、別にバンドがなくなって活動が止まっても面白いこと他にもあんじゃん」って思えたからよかったなぁ。

平井　「解散・活休」って、時代、シーン、マーケットを踏まえて自分自身を調節する感じの行為なんですかね。もちろん他のメンバーの事情あってのことですけど。

三浦　俺は調節して合わせて、成功するのも楽しめるタイプなので、「ある一定の時期頑張れたからOK。じゃあ次、頑張ろう」って感じなのかなぁ。

平井　「おしまい」ってやっぱりいいですよね。美しくないことがあんまり無い。

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[#1]『解活倶楽部』 Guest: 三浦隆一 / 平井拓郎 《前編》

 

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