誕生して100年以上! エンタテインメントとして切っても切れないコンテンツ。それは映画! 毎年100本以上を鑑賞するTMS映画映像学校学校長・松澤(チャンマツ2017)が毎回興行収入1位の映画を自腹で鑑賞し、なぜ1位なのか? どこが面白いのか?を主観的に分析し お伝えするコーナーです。

さてさて第2回目の更新です。松澤和行こと(チャンマツ2017)がお伝えする大人気コーナー「映画興行収入1位の魅力」です。
この企画のルールですが、毎回レポートする週の興行収入1位の作品を観に行き、勝手にレビューするという内容です。

自分も映画はよく観るのですが“常に興行収入1位を見ているか?”と言われると怪しいのと、“なぜこの作品が1位なのか?”を考えながら観たことはないのでそのへんも併せてレポートできればと思います。

わかりやすく言うと、今お客さんが一番入っている映画です。重要なことは「お客さんが入っている」=「売れている」ではありますが、

「売れている」=「面白い」ではないということです。

ここを履き違えないでください。

ということで連載第1回目の興行収入代1位は?
ドルルルルルルルルルルルルル(ドラムロール) チャン!

「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」

公式HP:http://www.pokemon-movie.jp/

あらすじ:今や最高のパートナーのサトシとピカチュウ。
実はその出会いはサイアクだった!
サトシの言うことを聞かないピカチュウと、
ピカチュウと仲良くなりたい不器用なサトシ。
ふたりは本当のパートナーになることができるのか?

マサラタウンを旅立つ日、

空を飛ぶホウオウを見上げたふたりは誓った。
「いつか一緒に、あいつに会いに行こうぜ!」

光輝く虹色の羽根に導かれ、今、ふたりの冒険が始まる!

大ヒット上映中!(公式HPより引用)

です。

「ポケモン」か…。映画は観たことない…。カーズの新作が良かったな…。

まあとにかく一番最初に流行った当初、白黒のゲームボーイでやったことがあります。なんか自分の持ってたポケモンでモグラみたいなやつが強すぎて無双した記憶があります。

あとは去年「Pokémon GO」をやってて“これ自分で動かないとダメなやつ”だと気づき20分で飽きました。
ポケモン知識としてはこんなもんですかね。

“またシリーズ物か…”と憂鬱になりましたが、以前映画館で観た予告を見る限りどうやら映画20周年ということで原点に返りスピンオフで、主人公サトシ君とピカチュウの出会いの話だった気が…。だからサブタイトルが“キミにきめた!”。

これならイケる気がする。前回のパイカビのような完全なシリーズ物じゃない!
勝機が見える。見えるぞ~!

鑑賞当日。

謎の体調不良(後に風邪と判明)のためテンション低めです。

むっちゃだるいのと咳が止まらず喉と関節の節々が痛いです。ていうかこれ映画観に行くコンディションじゃないわ! もう帰りたい。早くお家でゆっくりしたい!

と言いながらも、重い身体を引きずりながら映画館まで来ました。

新宿TOHOシネマズ。新宿歌舞伎町に数年前にできた映画館です。何と東宝のシンボル、ゴジラが乗っかっています。

この映画館ができて歌舞伎町全体の治安が良くなった気がします。ゴジラのおかですね。

そして今回も指定席である一番前のセンター指定席をゲットだぜ!

早速マイ席へ“ライド・オン”しようとしたら、自分の席の横にすでにカップルが座っています。まるで深夜のドン・キホーテに生息するような上下ジャージを着た2人とも髪の毛がさびている人たちです。

オス「おー、何かそう言えばー、ゆうじのやつスープラにー、ターボ載せたらしいよー!」
メス「マジでっ!? ゆうじのくせに生意気~。超ウケルー!」

何が面白いのかさっぱりわかりませんが、2人とも爆笑しております。まあ箸が転げてもおかしい年頃なのでしょう。思うところがあり。わざとひとつ空けて座りましたが、しかし3分もするとスーツ着た若手サラリーマンと同じ大学の後輩らしきブス女が「あのー、席ここで合ってますか?」と聞いてきました。

「ああ! すいません!」

と間違えて座っていたフリをして、ドンキ男の正規の席に座りました。そして悪い体調を何とか支えるべく、ファミマで買った100円ジャスミン茶をカップホルダーに置こうとしたらドンキ男の「カルピスウォーター」が刺さっております。絶句です。

いいですかみなさん! ドリンクホルダーは右側を使ってください!!

参考URL

https://move-star.com/movie/drink/

(ムービースターより引用)

一番前なのに、あっと言う間にこの人口密度です

ある意味完全なアウェイです。

向こうからしてみたら「何で一番前にアフロが…」という心境でしょう。ご愁傷様です。

この企画の落とし穴が2回目にして露呈しました。

興行収入1位とはお客さんがいっぱいくる作品のため、一番前のオアシスが死守できない。由々しき事態です。これは何かしら早急に対策を打たないといけないですね。

しかも、ポケモンなので小学生のお友達がたくさん来ているのかと思いきや、自分の隣に座っているような20歳過ぎの大きいお友達が大挙しています。まあ20年やっているという功罪なんでしょう。

ここでひとつ大きく提案したいのは、映画を観に来るお客さんには2種類しかいません。

それは「映画をセックスの前戯として観に来ている人間と、そうでない人間」

皆さんお気づきのように、自分の両サイドにいる両カップルはセックスの前戯としてこのポケモンを観に来ています。何たる不貞。
映画とは本来セックス抜きで観に来てもらいたい健全な代物です。

ましてやポケモンは本来子供向け映画ですので、趣旨を履き違えないでもらいたいですね。

しかし大変うらやましそうなので、自分ができることはひとつだけです。

風邪という本日の特殊スキルを十二分に活かし、上映中200回くらい思いっきり咳をしてやりました。

上映前も相当体調が悪く、アラフォーのおじさんにもスタッフがわざわざ優しく渡してくれた入場者特典をリア充に囲まれながらじっと眺めていました。残念ながらこれがなんなんなのか、未だにおじさんにはまったくわかりません。

小学生を対象としたくせに
ものすごいテキスト量です。

“耳なし芳一”かと思いました。おそらく大人数の大人のチェックが入ったんでしょう。

さあ、気を取り直して映画を観ましょう!

 

~鑑賞中~

 

~鑑賞中~

 

~鑑賞中~

 

鑑賞後、「ポケモン」との熱いバトルが終わりました。

大変好感度の高い作品でした。自分に10歳の子供がいたら絶対に観せたい作品です。

話の流れ的には、初めてポケモンをもらうことになっている主人公のサトシ君。 寝坊してポケモンがもらえずしょうがないから余っているポケモンのピカチュウをもらう。ピカチュウは電流ビリビリでかなり気性が荒いから扱いにくい。なかなか距離を詰められないサトシ、そんな時にピカチュウのピンチに身体を張って助けるサトシ、それに感動するピカチュウ。2人で協力して危機を脱出する。友情が芽生える。

サトシ「キミにきめた!」
ピカチュウ「ピカチュウ!」
サトシ&ピカチュウ「目指せポケモンマスター!」

めでたし。めでたし。

~メインタイトル~

これが最初の10分でした。「えっ!? いや、もうこれ終わってんじゃん! 何でこのあとにメインタイトルが出てくるの? どうなんのこれ? どうなんの?」

残り70分は上記のストーリーを登場人物を増やして同じことをもう一回やっただけでした。

そもそもポケモンって、ナウシカの肩に乗っているリス(テト)くらいのサイズだと思っていましたが、何か全体的にデカいんです。

~ウィキまとめ 風の谷のナウシカのイラストより引用~

かわいくないんです。ピカチュウは中型犬くらい大きくて何かキモイですし。小象ぐらいデカいやつも出てきてちょっと引きます。

~ポケモンメモより引用~

何かデカめです。

「劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI」より抜粋

「劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI」より抜粋

こいつデカすぎ。もうこれポケットサイズじゃないじゃん。

とにかく、とにかく非常に一筋縄ではいかない作品でした。

全体としてはまさにプロの仕事です。ところどころ飽きさせないように今回のストーリーとは関係ないポケモンをあらゆるところに配置したり、アクションシーンは3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)を駆使して迫力を出しています。

最後も、これは何か映画を観たような雰囲気になれる大団円。

素晴らしい仕事だと思います。
もともとポケモンは全米の邦画興行収入のTOP1、TOP2です。

https://matome.naver.jp/odai/2135980768801883601

今まで全米で週間1位になった邦画はポケモンだけです!
とんでもなくワールドワイドな作品なんです!
ジブリ映画など実は5位以下です。みんなポケモン舐めすぎです。
もっとポケモンをリスペクトしてください!

そんなポケモンが子供だましのような作品を作るわけがありません。

面白いのです! そう面白い!
それではなぜこの作品が興行収入1位なのか検証してみましょう。

  • ファミリー層が観に来る映画として20年続いていることの圧倒的な強さ

※エンドロールに子供が書いたポケモンを出すなどあざとい演出芸の細かさ。

  • 細かいことは置いといて何となく確実に面白い

※なぜこの登場人物がいきなり敵として攻撃してくるのか?など真面目に考えるとキリがない。

  • 観客は子供よりも20歳過ぎの層も多いという意外な状況

※終演後周りのドンキカップルなどはテンション高めで、あのシーンはポケモンのあの映画のセルフオマージュだ! あのセリフはTVシリーズにもあった!など、往年のファンにはたまらない内容らしい(自分は何ひとつわかりませんでした)。

とにかく今回初めてポケモン映画を映画館で観れて良かったです。
個人的にもとても勉強になりました。

追伸:一番面白かったのは「ポケモン」はNintendoの作品なのに、映画上映前に容赦なくスクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト」新作のCMが流れ、不覚にも号泣してしまいました。

一番のおススメはこのドラクエのCMです!

5点満点で星3つ★★★☆☆

シリーズのファンは星4つ★★★★☆

次回は「トランスフォーマー」でしょうか?

大味だな~。アメリカだな~。
とにかく何が1位になるか楽しみです。

それではまた! チャンマツでした!

松澤 和行プロフィール

TMS 東京映画映像学校 学校長 http://tf-tms.jp/
TMS卒業後 TV番組制作会社にてディレクターを経験てTMS 東京映画映像学校のプロデューサーに就任
構成作家、俳優として多方面で活躍中
劇団東京ミルクホール所属 http://www.tokyomilkhall.com/
PODCAST番組 東京ミルク放送局 毎週更新で大好評放送中! http://tokyomilkhall.seesaa.net/